保険診療とは健康保険などに加入している人が、どこの病院でも同じ内容の診療を同じ金額で受けられることをいいます。あらかじめ法律によって、病気の治療方法と診察料金が決められているためです。
法律で決められた治療であれば、かかった医療費の3割を自己負担することで、収入にかかわらず誰でも医療を受けることができます。平等に医療を受けられますが、日本国内で承認されている治療法にしか適用されないため、ある程度の制約があるのは否めません。
すべての治療法に保険が適用されてしまうと、保険の組合が金額を負担できなくなってしまいます。
すべての人に平等に必要最低限の治療をおこなうという原則が守られなくなるため、保険診療の適用内の治療方法や料金、薬などは細かく決められているのです。
自由診療は、公的医療保険の対象とならない診療のことをいいます。そのため、全額自己負担です。
自由診療による医療費は各医療機関が自由に決めるため、医療費が高額になることがあげられます。
文字とおり自由な診療なので、患者の症状や体質にあわせた治療法を選ぶことが可能です。
また、最低限の決められた治療法ではなく、治療の選択肢が幅広くなります。日本では承認されていませんが、海外では承認されている最先端の医療を受ける場合などがあてはまります。
レーシックなどの視力矯正手術などもこの区分です。自己負担が大きいので、病院やクリニックごとの医師や資格、実績、料金などを比較することも考慮にいれるべきでしょう。
保険診療と自由診療のメリットとデメリットをあげていきます。
保険診療は自己負担額が3割と少なく、収入格差もなく誰でも、どの病院でも同じ治療が受けられるところがメリットといえるでしょう。
しかしながら、国内で承認されている治療法にしか適用されないため、治療に制限があることや必要最低限の治療が目的のため、患者の様態にあった診療ができるとは限らないデメリットがあります。
一方の自由診療は、日本国内では未承認なものの海外の最先端の治療を受けられることや、自分にあった治療法を選べるといったメリットがありますが、医療費を全額自己負担で払うため、料金が高くなります。 自由診療は医療機関ごとに自由に料金を設定できるため、治療を受けるクリニックなどを比較する必要も出てくるなど、金銭面でのデメリットが大きいです。
保険診療はどこでも誰でも同じ治療を受けることができますが、自分の症状にぴったりとあった治療を受けなければ意味がないともいえます。
自由診療は高額になるというデメリットもありますが、その分、しっかりと治療をするためには必要な出費だといえるでしょう。